11/18(日)文学フリマのごあんない

お久しぶりです、編集の横山です。
11月18日(日)、文学フリマに参加します。ブースは、ウ−50。
こんなものを配付します。すべて無料です。

◆吉田恭大 paper-2「全く新しい効能を持つ都市間交通システム(仮称)」
ブースでは、作品へアクセスするためのカードが手に入ります。

◆朱位昌併「※舞台上での指示もしくは提案」+近藤瑞季による上演のおしらせ
これまで主に詩を書いてきた朱位昌併さんが、パフォーマンスのために書いたテクスト。
近藤瑞季さんの演出で、13年2月に上演します。
文学フリマ限定で、テクスト全文と、ふたりのコメントをお読みいただけます。

◆千種創一「中東短歌」告知
ヨルダンで暮らす千種創一さん編集の新刊です。どこよりも早く、メンバーを初公開します。

◆ami.me号外「わたしと杉並」
ポエケットで大好評をいただいた、ご当地文学フリーペーパー。
もくじは、こちらでご覧ください。

「ami.me」「ami.me」2号は、文フリ来場者限定価格で通販をおこないます。
くわしくは、ブースでご案内いたします。

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第十五回文学フリマ
2011年11月18日(日)11時〜17時
東京流通センター 第二展示場 E・Fホール
入場無料

文学フリマ公式サイト
http://bunfree.net/

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文学フリマも4度目の参加になりますが、今回はいつもとちょっと違うところがあります。
ブースにひとがいません。
わたしは、会場のどこかにいるのですが、大人の事情でブースにいることができません。
これまで、「ami.me」に参加してくださった方々も。たとえば、
朱位昌併さんは次の夏までアイスランドに、
千種創一さんは8年後までヨルダンに、
吉田恭大さんは月曜まで鳥取県にいます。
わたしも、きっと彼らも、あなたにお会いすることができなくて、ほんとうに残念に思っています。

わたしたちが文学作品に出あうとき、作者がその場にいることは、ほとんどの場合ありません。
わたしたちは、けしてカフカに会えないけれど、時間も場所も飛びこえて、カフカの書いたものを読むことができる。
文学フリマは、生身の作者とともに作品と出あえる、特別な場所です。
では、あなたに本を手渡してくれるそのひとは、ほんとうに作者なのでしょうか。
作者かもしれない。
もしかしたら、作品やここに書かれている「わたし」かもしれない。
あるいは、その誰でもないかもしれない。
紙の上には、文字しかありません。そこには、ひとのようなものが見えるかもしれませんが。

わたしが、文学フリマに出たいと思うのは、本を読んでくださる方ひとりひとりに、お礼を申し上げられるからです。
あなたへ言葉をお届けするだけでなく、言葉を交わすことができるからです。
でも、今回はかなわないので、せめて手紙を書くことにしました。
手紙とは、たったひとりのあなたへ向けて書くものです。
だから、「みなさん」に向けるような、こんなかたちでしか書けなくて、わたしはかなしく思っています。
文学は、言葉である以上「誰か」に向けられているものです。
手紙ではないのだから、「誰か」をたったひとりのあなたに定めて、書くことはできません。
それでも、あなたは、自分たったひとりの体験として文学を読みます。
だから、わたしたちは、お会いできない「あなた」のための、言葉を書く。
2012年11月18日、文学フリマという場所にいられないからこそ、
「ami.me」のブースに足を運んでくださるあなたへ、お渡ししたいものをご用意いたしました。

まずは、紙の上でお会いしましょう。
そして、またどこかで、あなたと言葉を交わせたら、ほんとうにうれしい。
あなたが文学フリマで過ごす一日が、よいものになりますように。

横山絢音拝